数年前話題になった針無しホッチキスの新型が登場した。 「ハリナックスプレス」(コクヨ) 針を使わないホッチキスは有名になった「ハリナックス」よりも以前からいろんな種類のものが出回っていた。 方式も大別して2種類、 @針の代わりに紙テープ等で用紙を綴る (例:エスカルゴ) A用紙を一部繋がった状態で打ち抜いて引っかける (例:ペーパーステッチロック) ハリナックスが優れていたのは@とAのいいとこ取りで、打ち抜いた紙片を使って紙を縫い付けて綴る仕組みだ。 とはいえ、その方式すらもっと先に他社が完成させていた(例:マジックステープラ)わけで、ハリナックス初期型は全くその通りの方式。 その後に、穴あけ形状を独自の形にして抜けにくくした新型が出て現在のハリナックス(8枚綴り、10枚綴り)となっている。 現在のハリナックスは自分も持ってて愛用する程度には大変実用的に優れる文房具だ。 針という消耗品が一切なく、そのままシュレッダーにかけられるというのは事務現場では非常にありがたい。 そして今回登場した「ハリナックスプレス」はさらに独自路線の紙の綴り方だった。 業務用には存在していた「圧着」方式である。 綴り枚数は5枚。 ハリナックスが10枚いけるのに対して半分。 現物を触ってきたが、ハリナックスが公称10枚のところ、無茶して12枚綴れるのに対して、プレスの方はぎりぎり5枚だった。それ以上はもとより紙を突っ込めない。 本体サイズは意外と小さく、従来のハリナックス並み。 しかし、構造上非常に重量がある。 剛性を求めるため金属パーツが多いようだ。 問題の綴りの強度だが、細かく凸凹を刻んでかみ合わせただけなのに全然はがれない。 すばらしい強度と感心したのだが、その周辺が脆くなるのか力が集中するのか、綴った際で紙が簡単に破けてしまう弱点も発覚。 この凸凹をこすって平らに戻すと紙が綺麗にばらせるらしい。 らしいというのは、試しては見たのだがなかなか平らにならないからだ。 中途半端に戻して紙をばらそうとすると、うっかりまた破いてしまった。 せっかちさんにはきっちりばらすのは難しそうだ。 そして一番の売りが、 ハリナックスだとどうしても書類に大穴を開けてしまうところ、穴を開けずに綴れるという点だ。 綴った書類をばらしてコピーを取る際に穴を開けた部分を欠損してしまうと言うらしい。 しかし、経験上実はハリナックスは綴り込んだ紙片を丁寧にほどいてやれば、切り離して大穴を開けたわけではないので欠損一切なしてコピーを取ることが可能だ。 穴あわせをして再度綴ることも可能。 むしろ綴った周辺が破けやすいプレスの方が破れた紙片をなくしたり、再度綴れないほど紙繊維が傷んでいたりしそうだった。 結論:構造と仕組みは面白いが、まだハリナックスの方が実用的。 というわけで今回は購入見送りで! |